アミロペクチンやグリコーゲンなどの分岐グルカンの分子構造の特徴を最も精密に調べる方法です。FACE (Fluorophore-assisted carbohydrate electrophoresis)法1)で、分岐グルカンをイソアミラーゼで枝切りし、生成した側鎖の鎖長分布(グルカンを構成する側鎖を、グルコース重合度ごとに分離し、それらの分子数の存在比率)を求める分析法です(図)。当社には、膨大なデータが蓄積しているので、グルカンの分子構造の特徴を精密に知ることが可能です。現在の技術で最も高いレベルのデータと考察が可能です。
(引用文献)
1O’Shea, M.G., Samuel, M.S., Konik, C.M., and Morell, M.K. (1998). Fluorophore-assisted carbohydrate electrophoresis (FACE) of oligosaccharides: Efficiency of labeling and high-resolution separation. Carbohydr. Res. 307, 1-12. pdf
ゲルろ過法クロマトグラフィー法(イソアミラーゼ分解物)では枝切りした澱粉分子の全体像が把握できます。澱粉5~20mgから分析が可能です。正確な見かけのアミロース含量、アミロペクチンの短鎖と長鎖の比率を測定することができます。
ゲルろ過法クロマトグラフィー法(未分解澱粉)では未分解澱粉分子の全体像が把握できます。澱粉5~20mgから分析が可能です。イソアミラーゼ分解物の分析では差が出ないサンプルでも違いが検出されることがあります。
糖分析では、HPLC-ELSD法で、グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、マルトトリオース等を分離し定量します(図)。
マルトオリゴ糖(Malto-oligosaccharides, MOS)の分離と定量をFACE法で行います。
澱粉調製や定量を受託分析します。詳細は、「お問い合わせフォーム」などで、お問い合わせください。
メガザイムのRS Assay Kitを用いて、このキットのプロトコールに従い、グルコース定量のみスケールダウンして行います。
この方法は、AOAC Method 2002.02に登録された、国際的に認められた方法です。
おおまかな原理は、以下です。
RS値は、測定するサンプルの状態によって異なる値となります。例えば、米を使う場合も、炊飯米か、米粉かによって、同じ炊飯米でもすり潰すか、すり潰さないかで全く違う値となります。RS値は、摂取した場合、どの程度の機能性が得られるかの目安にもなりますので、測定にはなるべく、「食べる直前の状態のもの」を使用すべきです。
測定直前のサンプル調製が必要な場合は、ご相談ください。例えば、生米をお送りいただき、測定直前に炊飯してほしい、乾麺をお送りいただき、測定直前に茹でて測定してほしいなど、ご要望があれば、お知らせください(別料金をいただく場合があります)。
(株)スターチテックでは、サンプル調製から消化、分離、グルコース測定までを3反復し、その平均値と標準誤差を提供しますので、学会発表、学術論文、特許の明細書等で使用する際にも耐えうるデータとなります。
我々は様々なRS値が高い米の開発を行っており、RS値の測定には、豊富な経験がございます(下記文献参照)。お返ししたデータの解釈が不明な場合は、弊社の担当スタッフが経験に基づいて、コメントさせていただきますので遠慮なくお問い合わせください。
これまでRS値に関して発表された論文
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受託分析の結果のご質問、協議について、1回目は無料です。
2回目以降は有料(1時間)となりますので、お問い合わせください。
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Chikako Kiribuchi-Otobe,Makoto Yamamori,Masaya Fujita,Hisayo Kojima,Koichi Hatta,Makoto Tougou
Starch-starke 2022, 2200125, doi.org/10.1002/star.202200125